「戸籍を売って金をつくった」−。15人が死亡、10人が負傷した大阪市浪速区の個室ビデオ店放火殺人事件で、無職・小川和弘容疑者(46)=現住建造物等放火と殺人などの容疑で逮捕=が、戸籍売買について関係者に話していたことが5日、分かった。また、同容疑者が「いつも飲んでいた睡眠薬を飲めなかったため、精神的に不安定だった」と供述していることも判明。この日、大阪府東大阪市の同容疑者の自宅マンションを家宅捜索した捜査本部は、刑事責任能力の確認のため、精神鑑定を検討する。
小川容疑者の知人男性によると、同容疑者の借金は昨年4月ごろ、約600万円あったという。だが、昨年末に心臓を悪くして入院。住んでいた賃貸マンションの家賃を延滞したが、退院後の今年1〜2月ごろ、「戸籍を売って金をつくった。戸籍は後でまた戻す」と話したという。
戸籍売買については、一説では100万〜200万円で取引されるケースがあるとされる。他人の戸籍を使って偽装結婚する事例などもあり、同容疑者の戸籍が悪用された可能性もある。また、同容疑者が一時期「内田」の姓を名乗っていたことも判明した。
同容疑者は、90年に大阪府門真市に建てた一戸建ても、一家離散後の06年に借金苦で売却し、今春から生活保護を受けていた。調べに対し、「生活保護を受けるような生活が惨めで、家族と別れて情けない。個室で死のうと決めた」と供述しており、捜査本部は経済的困窮や家庭崩壊から自暴自棄になったとみている。捜査本部は5日、東大阪市の自宅マンションを家宅捜索した。
また、同容疑者が「いつも飲んでいた睡眠薬を飲めなかったため犯行時は精神的に不安定だった」と供述していることが、捜査関係者の話で分かった。すでに、衝動的な犯行とみられることが分かっており、捜査当局は刑事責任能力を確認するため精神鑑定を検討。供述や証拠を精査し、本鑑定するか簡易鑑定するかを判断する。
調べなどによれば、同容疑者は事件が起きた今月1日の数日前から、東北地方から仕事のため関西に来た男性と知り合い、難波にある同様の個室ビデオ店を転々とし、自宅に戻っていなかったという。そのため、精神的に不安定で日常的に飲んでいた薬を飲めず、いつもより不安定だったという。
これまでの調べなどでは、同容疑者は事件の約1週間前、自宅前を下着姿で歩く様子が目撃され、約1か月前にも同じ格好で他人の家に上がり込むなど不可解な行動があった。
(スポーツ報知)

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